社労士にダブルライセンスは必要ない3つの理由

ダブルライセンス、つまり社会保険労務士の資格以外に他の資格を取得することは必要でしょうか?という質問を時々もらいます。

一般的に社会保険労務士の資格以外の資格で社労士資格とに相性がいいと言われている資格はファイナンシャルプランナー、行政書士、税理士などがあります。

これらの資格を持っていると、相乗効果で順風満帆に経営が成り立つんじゃないのかなとお思いの方も多く見えると思います。

事実、ダブルライセンスをあるいはトリプルライセンスを持って業務に活用されている方もたくさんいます。しかし、それほど効果あるか疑問であるのも現実、今回はあえてダブルライセンスが不要であるとの理由をお話します。

理由その1:他の資格を持っていると横のネットワークが使えない

社労士で開業すると、本当にたくさんの出会いがあります。その中でも他士業の方との出会いはほんとうに多いです。

わたしはサラリーマン時代に弁護士さんの知り合いなど皆無でした。弁護士さんとは喋ったこともなかったのですが、社労士として開業すると本当に多くの弁護士さんとも出会います。世の中にこんなに沢山弁護士さんっていたんだな、弁護士さんといってもいろんなタイプの弁護士さんがいるのだなって知ったのも開業してからです。(世間知らずでしたかね)

それと同じく行政書士の方や税理士の方とも本当にいろんなところでつながっています。当然同業者の社労士との出会いも多いです。ここで一つ言えるのは同じ社労士資格を持っている仲間は、社労士の仕事を振ってくれません。仕事を振ってくれるのは主に税理士の方や行政書士の方です。

そりゃそうですよね、社労士なのに自分で仕事ができるのにどうして他の社労士に仕事を振るでしょうか。

自分の持っていない資格の仕事はお世話になっている他士業の方に振って、逆に振ってもらって貸し借りができます。つまり、ダブルライセンス、トリプルライセンスを持っている人は横のつながりがそれだけできにくいことを意味しているのです。

孤高の一匹狼として仕事をしていくのならいいのですが、意外に自分の仕事から外れた案件は他士業の方にお願いして、次の機会に仕事を振ってもらうのも有りなのがこの世界です。

理由その2:社労士の世界は奥が深い

たとえば、税理士と社労士の資格を持っている人、司法書士と社労士の資格を持っている人は社労士分野での儲けは少ないのではないのかなと思います。(これは推測でしかありませんが)

税理士を本業として副次的に社労士分野の仕事をしている場合は社会保険労働保険の提出代行業的なものだけを行なっている方が多いと思います。

社労士一本で生きていこうと考えている人とはもともと社労士の仕事に対する考え方が違うのです。

ダブルライセンスで社労士業務もやる税理士さんや司法書士さんに対して、棋士の藤井猛さんの言葉を借りて言わせてもらうなら

「こちとら鰻しか出さない鰻屋だからファミレスの鰻に負けるわけにはいかない」です。

社労士の業務は奥が深く極めようとしたらかなりの勉強と努力が必要です。それは受験勉強とは全く違った難しさです。

理由その3:他の勉強をしている時間があれば営業努力をした方がいい。

たとえば、現在社労士資格を持っているが、養っていかなければならない家族がいるからどうしても仕事を辞められない。でもいつかは独立開業したいからその備えのために他の士業の資格も欲しいという方、あるいは自分にとってメインとなる資格は他にあってどうしてもその資格のほうが興味があるとお考えでしたら、どんどん他の資格取得にチャレンジするのも有りだと思います。

自分の夢や将来のビジョンは人それぞれです。

しかし、もうすでに社労士として開業しているとか、普段は主婦でこの資格を持ってるけど他の資格も取ろうかなと考えているのなら、一度、社労士一本でやってみてはどうですか?とアドバイスしたいです。

他の資格も取得のために1000時間以上必要とされます。その時間を営業努力のために試行錯誤しながら自分の得意分野などを伸ばす努力をしたほうがたくさん勉強になると思います。

資格取得のための勉強はいつか合格するという答えがある勉強なのでやっていて楽しかったりします。成長も感じられます。でも合格してからがスタートラインであって同じゼロからの「営業」が待っています。他の資格のほうが営業しやすい?他の資格のほうがお金を儲けやすい?その具体的な戦略があるのなら別ですが、もし他の資格も金無し人脈無し経験無しでしたらまずは社会保険労務士だけで食べていけるか必死で営業してみるのもいいと思います。

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