社労士のやる気が無い時のモチベーションを脳科学から考える

記憶方法2

 脳の自己報酬機能から考える合格目標

NHKのクローズアップ現代にも出演された脳科学者の林成之さんのご著書「脳に悪い7つの習慣」では脳の持つさまざまな習慣や機能について言及されています。

その中で、林成之さんが掲げる脳をうまく機能させるコツをまとめると

  • 目的と目標を明確にし
  • ゴールを意識せず
  • 主体的に自分がやっているという意思を持って
  • 達成の仕方にこだわる
  • 目標の達成に向けて一気に駆け上がる

ということを挙げています。

ここで興味深いのは林氏が北京オリンピックの金メダリストの北島康介選手などがいる競泳チームに「いかにして勝つか」という観点で講義をしていた内容です。

脳の機能の自己報酬神経群の働きから「途中でゴールをゴールだと思った瞬間にただの選手になる」

「そろそろゴールだ」と思うと「もうがんばらなくていい」と判断してしまうというのです。

そして実験をしてみても結果が明らかだったそうです。

タッチパネルを使った単純なゲームに取り組んでいる人の脳の血流を測定する実験で、

「まだゴールではない」という言葉をかけ続けたゲーム参加者と

「そろそろゴールだ」という言葉をかけたゲーム参加者を比較すると「そろそろゴールだ」という言葉をかけられた参加者の方は、脳の血流が落ちゲームの正解率はダウンしてしまったそうです。

つまり、ゴールを意識してしまうとまだ終わってないのに達成感をもってしまい最後の踏ん張りが効かなくなるのだと言うのです。

 脳の達成感を防ぐ2つの方法

そして、脳の効率を下げてしまう達成感に対して2つの防御方法についてもアドバイスしています。

ひとつには最後の10メートルをマイゾーンと決め、最後の10メートルに入った時にここからが自分の領域だとさらなる刺激へと駆り立てるように意識を持って行くということです。

もう一つには、最後に一気に駆け上がるというイメージを持つということをあげています。

そして林氏は北島選手に一気に駆け上がるイメージとして、100M平泳ぎで最後にゴールにタッチした瞬間がゴールではなく、ゴールをして水から顔を出して振り返って電光掲示板に出ている自分のタイムを確認するまでがゴールだというイメージをアドバイスしていました。

そうです、ここでは北島選手は100Mを泳ぎ切ることがゴールではないはずです。

泳ぎきった後に、電光掲示板に光る自分の出した世界記録を見届けること、それがゴールであり、北島選手が目指しているものだったのではないでしょうか。

そしてそこまでを一連の動作とすることにより、ゴールを一気に駆け上がるイメージにして北島選手は金メダルを勝ち取ったのです。

 あなたは社労士合格だけが目標ですか?

社会保険労務士を目指す理由は人それぞれだと思います。

そして目指すべき理由などは受験資格に含まれていません。

ですので、会社の仕事で役に立ちそうだからとか、とりあえず国家資格一つもっておきたいからでも、かまわないと思います。

しかし、わたしは、この社会保険労務士の資格に対してもっとつよく思い入れを持っている人達に向かって語りたいのです。

あなたは社労士合格だけが目標ですか?

社労士を目指した理由は何だったのか自分で言えますか?

わたしは社会保険労務士の資格は自分で自分の人生を切りひらくことができる資格だと思っています。

人生を切り拓くが少し大げさな言葉ならば、もっと身近な考えとして「仕事を変えたい」「職場を変えたい」「自分を変えたい」でもいいと思います。

それが十分可能な資格だと思います。

社会保険労務士試験に合格するには択一式も選択式も約7割の正解率でほぼ合格します。

しかし、その正解を7割埋めることだけが目標であったら、それは合格に対して一歩ビハインドではないでしょうか?

競泳の金メダリスト北島康介選手がゴールしてすぐに振り返って電光掲示板に輝く自分の記録を見つめることを最終目標にしたように、

あなたは、8月の本試験が終わった瞬間に振り返って見つめる先をもっていますか?

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