紛争解決手続代理業務試験の合格率や難易度の分析

暗記成功

第9回紛争解決手続代理業務試験の合格者が発表されました。

合格率は約65%と例年並みの結果となったようです。

今回はこの紛争解決手続代理業務試験の合格率から見る今後の予測分析と特定社労士が目指す業務について語ってみたいと思います。

第9回紛争解決手続代理業務試験の合格率と合格者数

紛争解決手続代理業務試験合格率

紛争解決手続代理業務試験合格率

合格者数と合格率は官報に広告され厚生労働省のホームページでも確認できます。

それによりますと、

受験者数:    1270人

合格者数:     837人

合格率:      65.9%

10人受けて約6人か7人しか受からない、試験という結果となりました。

この数字を社会保険労務士の本試験の合格率7%と比べたら紛争解決手続代理業務試験は容易に思えるかもしれません。

しかし、あの厳しい社労士試験の本試験をくぐり抜けてきた人たちがさらに試験を受けて60%の合格率と考えるとそれは簡単な数字ではないと思います。

第9回紛争解決手続代理業務試験結果発表を受けての今後の予測

第8回の時点で今後はこの紛争解決手続代理業務試験の合格率は60%を前後して横ばいとなっていくだろうと予測しました。

今回第9回紛争解決手続代理業務試験の結果をみまして、当ブログの予測は当たっていたことを確認できると思います。

今後もこのレベルの問題として社会保険労務士資格取得者がさらなる労使紛争解決分野での活躍とその研磨を目指して推移していくのではないのかと思われます。

第8回までの当ブログでの予測

第8回までの予測を記念として掲載したままとしておきます。

まだ8年の歴史しか無いこの試験ですがある程度一定の水位でもって落ち着いてきている感はあります。

第1回の平成18年から第3回の平成20年までの3回は紛争解決手続代理業務試験を今までベテラン開業社労士として業務をしていた人も多く受験しているため受験者数は比較的多いです。

しかし、第4回目からは受験者数は約1600人台で落ち着いてきている様子が見受けられます。

第4回から受験合格率は右肩下がりになり第6回では試験発足いらい最低の54.05%を記録しています。

しかし、第7回で合格率も68.36%と持ち直し第8回で60.29に修正されています。

一時期この紛争解決手続代理業務試験はますます難化して社労士試験に匹敵するくらいになると言われていました。

しかし、今回の結果を踏まえ、この傾向から考えると今後もこの紛争解決手続代理業務試験を更に厳しい試験にする考えはないのではないでしょうか。

合格率を今後も60%前後くらいを目安にと考えていることがうかがえるのではないかと思われます。

受験者数が増えていない現状と特定社会保険労務士の将来性

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次にグラフの合格者数に目を移してくださ。

合格者数は第1回から第8回までを合計すると12225人となります。

全体の社労士の登録数は以下のページで触れました

社労士の開業登録する会員数と社労士の将来性

つまりは、社会保険労務士に登録している会員数の全体に比べたらおおよそ3人に1人の合格者数ということになります。

今回の紛争解決手続代理業務試験の受験者数が1428人で前年よりも落ち込んでいることを考慮すると受験者数が増えることは考えにくいです。

これは現在登録している社労士の中にも特定社会保険労務士に対しての認識がまだまだ足りないのではないのかなと思います。

特定社会保険労務士の資格を保有してもそれほど業務には役立たないと考えている人が多いのではないでしょうか。

しかし、わたしはそのようには考えていません。

現在社労士の政治連盟は第8次社労士法改正を目指しています。

自民党のマニュフェストにもさらなる国民の付託に応えられる「社会保険労務士法改正」の推進と題しまして今後の社会保険労務士の将来に関しても以下のように書かれていることをご存じの方も見えると思います。

社会保険労務士が、国民の利便性の向上とさらなる付託に答えられるよう、個別の労働紛争について未然防止から解決まで一貫して関与できるようにすることや1人法人制度の導入などが可能となるよう、社会保険労務士法の改正を推進します。

実績がないためになかなか進まない社労士改革ですが、わたしたち社労士は自分から動かなければ何も始まりません。

他力本願で誰かが業務を開発してくれることを望むのではなくて自分から積極的に業務を開拓することが必要とされるのではないでしょうか。

これはわたし自身の課題でもあります。

ですので、このブログを読んでいるみなさんも、特定社会保険労務士の業務をもっと広げる努力をするためにどんどん受験を目指していただけたらと思います。

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